マーリア・ヴィルッカラ個展

2017年06月09日(金)〜2017年07月09日(日)

マーリア・ヴィルッカラは1954年、ヘルシンキでアーティストの両親の元に生まれました。ラップランド地方の人里離れた静寂な自然界に抱かれるようにして育ったマーリアは、幼少期から自分で壁紙をデザインしたり、身の回りのものを描いたりしていたといいます。その後ヘルシンキで陶磁を学び、フランスで美術全般を勉強しました。

ヴィルッカラがアート界で注目をあびるようになったのは、古い椅子や靴など不在を感じさせるモノを配置したインスタレーションをヴェニス・ビエンナーレ、イスタンブール・ビエンナーレで発表した1990年代半ばでした。2002年にヘルシンキで行われた芸術祭での「So What」展では、国会議事堂に向かう電線の上に動物たちを歩かせ、ゼーマンに「彼女の作品は希望と幸福を示唆する」と絶賛されました。常にその場所に隠されたポテンシャルは何かを探り、作品を通じて新しい詩を紡ぎだすヴィルッカラの信望者は多く、作家はヨーロッパに限らず世界各地での芸術祭に招かれ、その場にしか成り立ちえない作品を実現させてきました。

日本では2003年の妻有アートトリエンナーレの編み笠が記憶に残っている方が多いのではないでしょうか。忘れ去られたような奥まった集落の山あいに、パラボラアンテナに見立てた明かりがぽつぽつと灯る夕暮の風景。あるいは2013年瀬戸内トリエンナーレで子供たちと作り上げた創作劇。光、アート、音が瀬戸内海の海上で一体化し、家や家具が漂うヴィルッカラの設えと鬼太鼓座の演奏が女木島を舞台に繰り広げられました。劇場のコンセプトは来る6月4日に長野県大町市で開幕する北アルプス国際芸術祭の「森林劇場」へと受け継がれています。

今回ギャラリーで展示される作品は、これまでヴィルッカラが用いてきた視覚言語の中からブランコや注射器、乳母車が空中を飛ぶ映像などが組み合わさって生まれます。ギャラリーの空間からアーティストが受けたインスピレーションはどのように翻訳され、新しい作品として立ち現れるのでしょうか。静かに、しかし毅然として物質文明や消費社会の在り方を批判し、あなた自身はどう読み解きますかと問う作家の挑戦にご期待ください。

日程
2017年6月9日(金)〜7月9日(日)11:00〜19:00
休み
月曜
会場
アートフロントギャラリー(東京都渋谷区猿楽町 29-18 ヒルサイドテラス A棟)
東急東横線 代官山駅より徒歩5分
JR山手線 恵比寿駅より徒歩15分
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