川俣正「 工事中 」 再開

2017年08月18日(金)〜2017年09月24日(日)

川俣正はアートフロントが展覧会を始めた1984年の最初の年に開催した「工事中」展以来、90年代半ばまで幾度もアートフロントギャラリーで個展を開催した。その後も越後妻有アートトリエンナーレや様々なパブリックアートで行動を共にし、近年も奈良で開催された「東アジア文化都市2016奈良」、今年2017年には「北アルプス国際芸術祭」にも参加していただくなど、この作家がより国際的なフィールドへ拠点を移してからもこの作家の活動を支援してきた。

遡ること1984年、川俣正は代官山のヒルサイドテラスで木材を利用したインスタレーション、「工事中」を公開した。当時、ヒルサイドテラスのリノベーション工事に合わせて建物全体に増幅し、長期にわたって展示される予定だった。今でこそ都市でも街そのものを使った屋外アート展が開催されるようになったが、当時は極めて珍しく、近隣の店舗などからの抗議を受けて1週間程度で撤去を余儀なくされた。

川俣はその後、代官山で1999年より隔年されていた若手屋外インスタレーションの公募展「代官山インスタレーション」展の審査員を務めている。

この展覧会は10年の歳月を経て次第に展示形態としても一般的になってゆく「都市」におけるアートの草分け的な展示であったが、「場所性」とアートの関わり、あるいは街づくりとアートの広がりにおいて一定の役割を果たしたということで13年に終了した。場所と関わるアートが一般化し、当たり前になってゆくなかで、公募展の審査をしながら川俣は「今の自分であったらこういうプランを考えるはずなのに」という思いを持ち続けたという。今回の展覧会はまず、終わらざるを得なくなった代官山インスタレーションの「リベンジ展」をしようというところから始まり、かつての「工事中」展を掛け合わせることで、もう一度、都市、場所性、アートの掛け合わせ方を模索する展示として計画されている。

30年余りの間に街の様相も変わりつつある。街の景観の変化、場所とアートとの関係性の変化を川俣は重視し、隣接する歩道橋から見ることが出来るヒルサイドのルーフトップ案を打ち出した。この歩道橋は近隣の店舗/住民からの要望を受けて会期後1-2か月後に撤去されることになっており、ある視点から見ることのできる最後の形をとどめたい意思から生まれたプランともいえる。また、特定の日には実際の屋上に観客を上げることも検討されている。屋内のギャラリー空間には1984年の「工事中」展のマケットやドローイングなどとともに今回のインスタレーションにまつわる新たな作品が展示される。30年を経て変わってきた都市とアートの関わりの現在進行形を見せる、新たな冒険の始まりともいえる展覧会になる。

日程
2017年8月18日(金)〜9月24日(日)11時〜19時
休み
月曜
出展作家
川俣正
(敬称略)
主催
アートフロントギャラリー
会場
アートフロントギャラリー(東京都渋谷区猿楽町 29-18 ヒルサイドテラス A棟)
東急東横線 代官山駅より徒歩5分
JR山手線 恵比寿駅より徒歩15分
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ヒルサイドテラス・ルーフトッププラン2017
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