西沢立衛・鷲田めるろ・吉澤 望 シンポジウム ミュージアムに自然光は必要か?

2017年11月30日(木)

国内のミュージアム(美術館)においては、主に作品保護の観点から、展示室では人工照明の利用が 一般的である。人工照明は演出性の高い展示を行うことができ、さらに近年のLED照明の発達によって、 より幅の広い光環境を実現できるようになった。安定した理想的な鑑賞環境をつくり出すためには、人工照明の利用は不可欠である。

一方で、欧米では自然採光が用いられている美術館は少なくない。画家が描いた環境を再現するため、 展示室全体を均質に照らすエネルギーを省力化するため、時間や天候による光環境の変化を魅力として捉えているため、などの理由がその背後には考えられる。しかし、作品の修復技術は向上しているものの、自然光による作品へのダメージを完全に回避する技術は発明されていない。そのため国内では、プライベートなコレクションによる一部の美術館を除けば、近代美術以前の絵画を自然光で見せる美術館は皆無に等しく、彫刻や現代美術を扱う美術館だけが自然採光を採用しているに過ぎない。

そんな美術館と光の関係を考えるとき、現在の美術館の建築計画において、作品の「保存」と「展示」という相反する目的に対し、時々刻々と変化する制御しきれない自然光と、技術革新 によって飛躍的に 進化した人工照明を、どのように捉えるべきなのだろうか。予算を度外視すれば、自然採光を模して変化する人工照明を実現することも可能と聞く。それでも自然採光が採用されるとき、それはどのような論理によって計画されることになるのだろうか。

LED照明をはじめとする技術が進んだ現在であるからこそ、美術館における自然光の意味を問い直し、 美術作品の鑑賞にとって自然光が何を意味するかを言語化することは重要な意義を持つであろう。そこで、自然採光を行う美術館を利用する学芸員、設計した建築家、光環境の研究者を招き、その課題と可 能性を討議する。それによって、これからの美術館に対する建築計画の一助となることを期待したい。

日程
2017年11月30日(木)18時〜20時30分
出演
西沢立衛(西沢立衛建築設計事務所/横浜国立大学大学院)
鷲田めるろ(金沢21世紀美術館)
吉澤 望(東京理科大学)
司会:佐藤慎也(日本大学/文化施設小委員会主査)
(敬称略)
料金
一般2,000円、学生500 円(資料代含む・当日会場払い)
定員
50名(要申込み・先着順)
申し込みページ
https://www.aij.or.jp/event/detail.html?productId=610174
主催
日本建築学会 建築計画委員会 施設計画運営委員会 文化施設小委員会
会場
建築会館 3階 会議室(東京都港区芝5-26-20)
  • JR山手線・京浜東北線田町駅(三田口)より徒歩3分
  • 都営地下鉄浅草線・三田線三田駅(A3出口)より徒歩3分
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